乳歯のむし歯の特徴と放置するリスク
皆さんこんにちは。
甘利歯科医院です。
子どもの歯は、大人の歯とはいろいろな面で異なります。
そのため、むし歯の特徴にも相違点があることから、その違いについてはしっかり理解しておくことが大切です。
今回はそんな子どものむし歯の特徴をわかりやすく解説します。
子どもの歯である乳歯は、大人の歯である永久歯よりもむし歯なりやすいのは有名ですよね。
これは乳歯がやわらかく、むし歯菌が産生する酸で溶けやすいからです。
しかも、乳歯の奥歯には、永久歯よりも複雑な溝が形成されているため、汚れがたまりやすくなっています。
その点も乳歯がむし歯になりやすい理由のひとつといえます。
子どものむし歯の特徴として、進行が早い、という点も忘れてはいけません。
むし歯ができたかと思えば、あっという間に進行して、歯の神経まで侵されてしまいます。
これは乳歯の歯質が永久歯の半分程度しかないからです。
エナメル質も象牙質も半分の厚みしかなく、歯の神経まで短期間で到達してしまうのです。
乳歯というのは、適切な時期がくれば、永久歯に生え変わります。
それだけに「つなぎ」としての役割しかないと誤解されがちですが、実際はそんなことはありません。
乳歯自体が正常に発育し、適切な時期に抜け落ちなければ、永久歯に大きな悪影響を及ぼしかねないからです。
例えば、乳歯の脱落が遅れると、永久歯が生えて来る時期まで遅れます。
乳歯が重度のむし歯にかかると、それがすぐ下に控えている永久歯にまで広がることがあります。
その結果、永久歯の発育を大きく阻害してしまうのです。
このように、子どものむし歯には、大人のむし歯にはない特徴がいくつか見られます。
そうした乳歯のむし歯の特徴を理解することで、永久歯の正常な発育も可能となります。
お子さまの歯を健康に発育させるためにも、乳歯のむし歯はできるだけ予防するようにしましょう。